水沢くんの看病?をしてから数日後。月が変わって11月になった。



「柚子ちゃん、お願い!1週間あたしの代わりにバイトして!!」



パンッと顔の前で両手を合わせる、中学からの友達で、今は別のクラスの杏花ちゃん。



「ど、どうしたのいきなり…。そんな藪から棒に言われてもなにがなんだか……」



「あたし、バイト掛け持ちしてるんだけひとつのバイト先でちょっとトラブルがあって…。1週間そっちに続けて出なくちゃならなくなったの」



「そ、それは大変だね…」



「だから、もうひとつのバイト先は出られなくて。でもシフト入ってるし…。だからお願い!柚ちゃん、あたしの代わりにそのバイトやって!」



「え、わ、私が…??」



そういうと杏花ちゃんは満面の笑みでうなずいた。



そ、そうは言われても…。



「わ、私バイトしたことないし…。た、たぶんムリだよ…」



「それなら大丈夫!あたしのバイトしてるところファミレスなんだけど、あたしの担当はフロアだから料理運ぶだけだから!」



「で、でも……私なんかでだ、大丈夫?」



「大丈夫!バイト先の人みんな優しいし、それに柚子ちゃんかわいいからイケる!」