すると、そんな優しい声色が聞こえてきた。
「え、水沢くん今……っ」
今の言葉、本当に水沢くんが言ったのか信じられなくて尋ねようとするけど……水沢くんは規則正しい寝息を立ててもう眠っていた。
ね、寝るのはやい……。
でもい、今、たしかに「ありがとう」って言ったよね?
あの、水沢くんが……。
私に、お礼を……。
信じられない……でも、もっと信じられないのは。
水沢くんにお礼を言われたとき、さっき以上にドキドキしていたことだ。
どうしちゃったんだろう、私の心臓……。
私はしばらく、そのままなにも考えることができなくなってしまった。