私は橘さんから受け取ったタオルで、水沢くんの額の汗をぬぐった。 あと冷えピタ貼って、と……。 ペリッと冷えピタのビニールをはがして、そっと水沢くんの額に冷えピタをはった。 「……ん」 すると水沢くんがピクッと体を揺らしたかと思ったら、ゆっくりと目をあけた。 「あ、ご、ごめんなさい水沢くんっ……起こしちゃった?!」 「……野上、さん。やっと来たんだ……」 ゴホッと咳をしながらそういった水沢くん。 声がいつもより低くて……なんだか、水沢くんじゃないみたいだ。