水沢くんの言葉で体が解放された。
ていうかいま“母さん”……??
「あ、あのー……」
「なにかしら?」
おずおずとお姉さんに話しかける。
お姉さんはニコッと水沢くんと似た笑顔を向けて返事を返した。
「つかぬことお聞きしますが、もしかして水沢くんの……」
「母の佳子よ。よろしくね?」
「は、ははは母!?お姉さんじゃないんですか!?」
少し年の離れた兄妹かと思ったんだけど……。
まさかのお母さん。
うちのお母さん、水沢くんのお母さん見たら目玉飛び出すよ、きっと。
「ふふっ、よく言われるわ〜。でも私、こう見えて40過ぎてるの。周りにはナイショよ?」
口元に人差し指を添えて、ヒミツの仕草を見せるお母さんにドキッとしてしまった。
この美形な遺伝子を受け継いで、またもや美形な水沢くんが生まれたんだ……。
納得した。

