私が食べさせてもらっていたときは、我を忘れていたから途中から恥ずかしさはなかったけど。
自分が食べさせる側にいくとなると、話は別。
水沢くんが食べ終わるまで食べさせなくちゃならない。
そ、そんな新婚夫婦みたいなこと…!
「恥ずかしすぎて私の心臓が止まっちゃう…!!」
「じゃあキミは僕の言うことが聞けないってこと?」
心なしか低くなった声。
水沢くんの表情はにこやかだけど……逆にそれが怖い。
「そ、そういうわけじゃ!」
「じゃあはやく食べさせてよ。僕、お腹空いてるんだから」
「……ハイ」
もうダメだ。
私は水沢くんには逆らえないのだ。
私は抵抗を諦め、意を決してスプーンを強く握った。

