そう言った水沢くんの声はいままででいちばん低かった。
お、恐ろしい……!
これはもう手段はひとつしか残されていないようだ。
ここは恥ずかしさなど捨てて大人しく口をあけるしか私には手段はないんだ。
「……うん。いい子だね」
ゆっくりゆっくり、小さく口をあけると水沢くんは楽しそうな声を出した。
そしてだんだんとスプーンが口に近付いてきて……私はパクリとオムライスを食べた。
「……っお、おいしい…!」
口に入った瞬間に感じるおいしさ。
なにこのオムライスは……!
人生で食べたオムライスの中でいちばんおいしい!!
「気に入ったみたいだね。はい、もうひと口」

