「え、あの……」
「余計なこと言うな。この子は僕のものだよ。手出さないで」
水沢くんがやるよりも橘さんがやった方が得意だろうと思ったし、安心だとも思ったので“いいんですか?”と聞こうとした。
だけどその前に水沢くんの声に遮られてしまった。
……っていうかいま、“俺のもの”って!
サラッと言ったけど、私は聞き逃さなかったよ!
それは女の子が言われてうれしい言葉トップ10には入りますって!
水沢くんの言葉の一部がリピートされて、顔が一気に熱を帯びた。
「……そうですか。それは失礼いたしました。では、ごゆっくり」
橘さんは私の方を見てからクスッと笑い、部屋を出て行った。
「キミ、なに顔赤くしてるの」
「へっ…」
水沢くんがドアから視線を私に移した。

