「なんなら、足だけじゃなくて手でもいいよ?」
「そ、それはちょっと…」
ニコニコと笑顔で話す水沢くんに気の抜けた返事しかできない。
だって捻挫して、ってそんな笑顔で言われても、ね……。
この片方の足を捻挫したとき痛かったんですよ?
なのにまたその痛みを味わえと?
しかもさっきサラッと“好き”って言われたけどうれしいどころか寒気しかしないのは、水沢くんのその前の発言のせいだ。
はは、ははは……。
なんかもう笑うことしかできなくなってきた。
コンコンッ
冷汗を流しながら顔をひきつらせていると、ドアがノックされた。
「佳人様、お食事の準備ができました」

