ことの始まりは
父さんのこの一言。


「父ちゃんな…実はな……ずっと世界中を旅してみたかったんだ!」

目をキラキラと輝かせながら
大志を抱く少年のように宣言するオトン(45)


その横で、母さんと私は
構わず黙々とご飯を口に運ぶ。

『ふーん。それで?』

テキトウに相槌をうってやると嬉しそうに父さんは話し続ける。