「あぁ、だから俺のこと嫌いなんだなーって、気付いてた」 「…何でそんな相手としたの?」 「んー、まぁ勢いとかそういうのもあったけど…それだけじゃなくて」 「?」 「普段そんな冷たい目してる人が、酔って泣いたり甘えたりしたのが可愛かったんだよね」 「…それだけでする?普通」 「それだけのことが、俺には充分大きかったの」 硬い腕は体を包み、大きな手はよしよしと私の頭を撫でた。 「……」