ー 「……」 ようやく落ち着き化粧を直したりと色々して、映画館を出た頃には街はすっかり夕焼け色に染まっていた。 「…ごめん」 「?何が?」 「いきなり、泣いたりして。おまけに化粧直したりして大分待たせちゃったし」 「ううん、全然平気」 「……」 「霞ちゃんの泣き顔、可愛くて結構好きだし」 「!」 本気なのか冗談なのか、あははと笑ってハルは私の手を握る。