「ちなみにお兄さん、彼女は?」

「!」



話の流れで投げかけられた碧の問いに、私の心臓はビクリと跳ねた。



「いるよ」

「やっぱり?いいなぁ、こんな優しそうな彼氏」

「そんなにおだてられたら仕方ない、サラダのサービス出しちゃおうかな」

「やったぁ♪」



けれど彼は戸惑う様子もなくすんなりと答えては、一瞬こちらを見てまた小さく笑ってみせる。





『いるよ』





その一言が、この前の日のことを

現実だと知らせる