そして私と彼は、会社裏のひと気のない細道で向かい合って立つ。 制服にカーディガンというオフィスのままの格好で来た私に、外の風は冷たく吹いた。 「えーと…今朝は、その…」 「…だ、黙って出てきちゃって、すみません」 「こちらこそ…すみません」 当然と言えば当然、複雑な気分に互いにぎこちなくなる空気。それを誤魔化すように、彼はくしゃくしゃと髪をかく。 「…あの、昨日のことなんだけど…」 「ごっ、ごめんなさい!!」 「へ?」 そんな彼に、私は勢いよく頭を下げた。