「?どうしたの?」 「社員証が…ない」 「えっ、まずいじゃん」 「どこやったんだろう…落としたのかな」 「とりあえず今日は理由話して出勤しなよ」 「うん」 社員証がなければタイムカードもパソコンで手入力だ。面倒…だけど仕方ない。 (はぁ…あんなことになるし、社員証なくすし、最悪) 「……」 肩を落としながらも着いたデスクでようやく落ち着いては、ふぅ…と息を吐き出す。 そこでようやく、ぼんやりと思い浮かぶのは、途切れ途切れの昨夜の彼との記憶。