「…まるで知ってるかのような口ぶりね。偉そうに」 「知ってますよ」 「…?」 ひゅう、と吹く冬の風が、熱くなった身体を冷ます。 「私、前に付き合っていた人に暴力振られたことがあるんです」 「……」 「優しかった人が豹変して…そのせいで、優しい人が信用出来なくて嫌いになりました」 「…じゃあ、どうして春樹と?」 「最初は嫌いでした。ハルのこと」 「!」 「けど、色々あってハルを知って…彼なら信じられると思いました」 ハル、なら ハル、だから