「こいつ好きな子のことになるとダメだね。前に霞ちゃんが会社の奴に口説かれてた時なんて…王子って呼ばれてる奴の顔じゃなかったもん」
「和馬くん、うるさい。奥戻って」
ペラペラと暴露しだす和馬さんに、ハルは恥ずかしそうに彼の背中を押して裏へと向かっていく。
「ハルの話聞きたい時はいつでも言って♪何でも教えちゃうから〜」
「言わなくていいから!」
「……」
そんな普段は見ないような顔に、私たちはくすくすと笑った。
「…霞ちゃん、幸せそう」
「?そう?」
「うん。女の子って感じの笑顔してる」
「……」
女の子、の笑顔
「…そう、かな」
そんな表情
出来てるの、かな
だとしたら嬉しいな
ハルの、おかげだね



