こんな事、きっと誰も信じてはくれないだろう。


「私の・・・「中」・・・?」


 だって自分でも初めは信じられなかったのだから。


『あぁ、出ようと思っても出られない』


 緑が多くなり、過ごしやすくなってきた初夏。

 不運か、奇跡か?
 きっと不運に違いない。


「・・・うそでしょ」


 自分だけの身体であったはずが、


『嘘をついてどうする』


 自分以外の何かが入り、一つの身体で奇妙な共同生活がはじまってしまった。