自分で傷付けた腕を反対の手で押さえ込み暫くの間、力を入れる。
「血、止まったかな」
確認しながらそっと手を離すと傷口の血は固まっていた
布を桶の水に浸して絞り男の子の体を拭いて汚れを落としていく
綺麗になった体にゆったりとした部屋着を着せてベッドに運ぶ。
---少し血を使い過ぎたかな・・・体に力があまり入らないかも
何とか男の子を寝かせてベッドの横の椅子に凭れた
体が回復するまで男の子を見ていた
髪はさらさらの金髪で睫毛も長く、目を閉じていても整った顔立ちだと思う
ドラゴンの炎から助けた時に見えた瞳は綺麗な碧眼だった
「それにしても、何でエンシェント・ドラゴンなんか相手にしてたのかな」
あんなの相手にしてたら、いくつ命があっても足りないよ・・・
「・・・ふぅ」
もう体も大丈夫かな
力を入れて立ち上がればギシリと木の椅子が音を立てた
男の子を見てみれば穏やかな寝息を立てている
「もう大丈夫ね」
ホッと息を吐いて静かにドアを閉めた

