「ふふっ」



私の周りを飛び回って楽しそうに風を巻き起こす


ここの森はシルフの風を纏って入らなければ結界を通る事が出来ない







・・・ガサッ




茂みの向こうから音がして、そちらに視線を向けると



1頭の大きな瑠璃色の狼がこちらに近付いて来た





<今日は随分とゆっくりなんだな・・>




「おはよう、シエル」




シエルと呼ばれた瑠璃色の狼は≪ソーマの森≫の門番で


異界の入り口までの道案内をしてくれる




<今日もまた、あの小僧に追い掛け回されていたのか?>