「今も悪くない」
「何が?」
「ん?風音の抱き心地。すっぽりと入るから、抱きやすい」
「まさか会う度に抱いているの?」
「気が向いたときにな」
「恋人じゃないのに?」
「いずれそうする。焦る必要なんてない」
「余裕だね。そんなに自信があるんだ?」
「当たり前。かなり怯えが少なくなったとはいえ、もう少し仲を深めないとな」
「脅迫したりするのをやめたらどう?」
「それは無理だ。怯える顔はそそられるから」
「嫌な奴に目をつけられちゃったね。風音ちゃん」

 苦労しちゃうな。これからも。

「あのさ、好きな子いじめって、小学生がしているんだよ?お前は何歳?」
「弟の歳を忘れるなんて、頭が弱くなったのか?」
「な!そんなわけないでしょう!せいぜいからかいすぎて嫌われないようにね」

 ただでさえ怖いって、みんなが言っているんだから。