「こんな短時間で遊ぶなんて・・・・・・」
「不可能じゃない」

 項に海翔先輩の鼻を押しつけられ、痺れが走った。

「何してるんですか?」
「遊んでいる」
「や、やめてください」
「気持ちよくないか?」
「よくないです」

 沈黙になったかと思えば、それはすぐに破られた。

「あ!」

 今度は唇を這わせてきた。足の力が抜け落ちて、そのまま先輩へと凭れかかってしまった。

「あの!」

 今、私は何を言おうとしたのだろう?

「感じてろ」

 私を支えながら一言そう呟いた。
 耳元で言わないでください!
 海翔先輩と出会って、しばらくしてから意識するようになったことがある。それは声。
 私は先輩の声が嫌いではない。いや、むしろもっとと求めている。
 自分はおかしくなったのかと、不安になったが、人間には好むもの、好まないものがあるので、大丈夫と安心させた。