「顔が真っ赤だぞ。何を思い出していた?」

 そんなこと、二人の前で言えるわけないじゃないですか!

「まったく、その辺にしておきなよ。そんなにいじめて楽しい?」
「俺はただ質問していただけだ」

 喉を詰まらせて咳き込んでいる私に愛葉お姉ちゃんはお茶を渡してくれた。

「この程度で動揺するなんて・・・・・・。これ以上のことをしたら、どうなるんだろうな」

 そんなこと、考えたくない。

「俺は愛葉にそんなことをしたことがないよ」
「お前と俺は違う」

 青ざめている私を放っておいて言いあっている。愛葉お姉ちゃんは私の顔を見てすぐに別の話題に変えた。

「風音、可愛い友達が増えたね」
「友達?」
「風音の部屋に」

 あぁ、ぬいぐるみたちのことね。