家に帰ったときにはぐったりとしていた。
 夕食を食べて、入浴したあと、部屋でくつろいでいた。

「家が落ち着く」
「風音、一緒にケーキを食べよう」

 愛葉お姉ちゃんは準備をし始めたので、私は飲み物を入れた。

「今日、とても楽しかった。会話が止まらなかったの」
「私は読書タイムが止まらなかった」

 私と愛葉お姉ちゃんの声のトーンに大きな違いがあった。
 読書が終わったあとはこの本の良かったところを言いあったり、逆にこういう書き方をすれば、もう少し面白くなりそうなどと言っていた。
 読んでいる間にいたずらをされるのかと思っていたけど、大人しくしていた。

「一緒に本を読んでいたの?何冊?」
「一冊だよ。まさか私が男の人と本を読むとは思わなかった」
「好きで傍にいるのよね?」