本当に油断も好きもないんだから!ここ、階段の近くだから、いつ人が来てもおかしくないのに!

「仲がいいね」
「どこがなの?お姉・・・・・・」

 あれ?今の声はお姉ちゃんじゃない。じゃあ、誰?

「広樹先輩!」

 先輩ってことは、この人は三年生か。

「はじめまして。風音ちゃん。弟が世話になっているね」
「弟?」
「目の前にいるでしょ?」

 海翔先輩のお兄さん!?
 にっこりと笑っていて、正直似ていると思えなかった。

「愛葉、どこに行きたいか、もう決めた?」
「うん。駅前に新しいケーキ屋ができたでしょ?あそこに行ってみたい」
「わかった。美味しいものがあるといいね」

 なんか会話が弾んでいるみたいですけど、この二人・・・・・・。

「恋人?」

 会話を中断して、二人は肯定した。

「ほ、本当に?」
「本当。二人も恋人?」