「狼って俺のことだろう?」
「はい。あぁ!いいえ!!」

 気が緩んでいたせいか、さっきの会話を戻された。
 まだ気にしていたんだ。私はもう、終わったとばかり思っていた。

「どうなんだ?」
「そう・・・・・・です」

 とうとう肯定をしてしまった。嘘でも否定をするべきだったのかな。この人のことだから簡単に見破るか。

「この俺にそんなことを言うとはいい度胸だな」

 だ、誰かいませんか?只今最大の危機に陥っています。

「罰を与える」
「どんなですか?」
「何がいい?」

 質問をしたのは私なのに、別の質問をされた。

「痛かったり、怖かったりしないもので!」
「わかった。お望みどおり、怖いものにする」

 安心できたのはほんの一瞬。私の聞き違いだと信じたい。

「嫌です!」
「そんなことを言われると、余計にしたくなる。決定」