「あれで太っているって言ったら、他の奴の怒りを買いそうだな」
「そうですよね。細身なのに・・・・・・」
「お前もするなよ。むしろ少し肉をつけろ。でないと・・・・・・」

 でないと、何ですか?

「抱きしめるとき、ちょっと力を入れただけでお前を壊してしまいそう」

 パクパクと口を動かして、言葉を失った。
 他のも客がいるのですよ。そこもきちんと考えてください!

「人前で変な顔をするな」
「誰のせいでこんなことになっていると思っているのですか!」
「だって加減がわからないから」
「だったら、しなきゃいいじゃないですか」

 そういうことされると、パニックになるんだから!

「やだ」

 やだって、まるで小さな子どもみたい。

「まったく、人を抱きまくらのようにして・・・・・・」

 話をやめてケーキを食べると、海翔先輩が頬を指で突いた。
 どうやらクリームがついているらしいので、そのあたりを指で触ると、クリームがついていた。