………俺がこの学校に入学した当初
木下 萌という女に出会った。
あっちは、たいして俺のこと気にしてなかったけど、
俺は、はっきり覚えていた。
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「あ、肘、、怪我してる」
入学式の日の教室で初めて声をかけてくれたのは
木下だった。
俺は、自分の肘を見た。
そこからは、血が滲んでいて
腕まくりしてた俺は、いろいろと
肘の傷が目立っていたらしい。
「あたし、絆創膏持ってるから。」
ポケットから取り出した絆創膏は、
俺に似合わなすぎる花柄の絆創膏だった。
正直、俺はこの絆創膏をしていいのだろうか。
ふと疑問に思っていたが
「それ、けっこういいんですよ。
すぐ治っちゃいます!」
にこっと笑った彼女は、
とても、花が似合うという印象を受けてしまった。
こ、こんなやつ初めてだ。
俺の中学キャバキャバしたやつばっかだったからな。
そう思っていたら、木下は、
友達に呼ばれ、廊下のほうへ走って行った。

