「あのとき─…………?」
そうだ。あのとき、お手洗いしてる
間に佐々岡くんが
買ったんだ──……………。
「っ////」
うそ………。
くまちゃんストラップを見つめる。
「い、行かなきゃ……!」
佐々岡くんのところに行かなきゃ。
あたし、何怖がってたんだろう。
たしかに初めは、怖がってたよ?
だけど
だけどね
知っちゃったんだ──………。
優しさも強引さも俺様なところも
あたし、いっぱい佐々岡くんのいいところ知ってるのに……
今考えれば、カフェで女の子たちが
佐々岡くんを見て騒いでいて、もやもやしたのは、
やきもち…………かも。
さっきだってあたしを助けてくれたのに
あたしは、自分のことばかりで
ごめんなさい。佐々岡くん。
あたしは、無我夢中で走り出した。

