怖い。佐々岡くんが怖いよ………。
普通に人を殴るなんて
信じらんない──………。
「ふぅえぇぇん…」
佐々岡くん─……………。
まるで、さっきまでのことがまぼろしみたい。
佐々岡くん優しい人って思っていた。
でも怖いんだ─…………。
「ヒック…はぁー」
泣きはらした顔は、ブサイクが増していた。
佐々岡くんに悪いことしちゃった。
逃げるなんて最低なこと。
「はぁー。帰ろ─…………」
ケータイを出すために鞄をあさっていると
『チリンッ♪』
ん?
なんの音?
あたしは、もっと鞄をあさった。
『チャリンッ。チリッ。チリンッ♪』
鈴………?
あさってあさって見つけたものは、
「え─…………?」
それは、
『チリンッ♪』
鈴がついたくまちゃんストラップだった。

