その音と共にあたしの腕をはなされた。
「え…?」
「おい。てめぇら何?
俺のもんにさわんじゃねー」
「んだこいつ?!」
目の前にいたのは──……………
「さ、佐々岡………くん」
「は?!佐々岡だと?!
あのちょー有名な?!」
男の人たちは、焦りだして青ざめた顔になっていく。
「あぁ。そーだけど?
おい。何勝手に俺のもんに
てぇ出してんの?」
佐々岡くんは、鋭い目でまわりを見渡す。
あたしだってぞくってするくらい怖い顔だった。
「…………っ」
「なんでてぇ出してんだっつってんだろっ!?」
佐々岡くんは、そこらへんにあったごみ箱を蹴飛ばした。
「ひぃぃぃい!」
あたしの腕を引っ張っていた人は、
圧倒されて座り込んでいた。
ほかの人たちは、逃げていってしまった。
「なぁ。答えろよ」
「……はっ………ひ…あっ」
ガタガタと震えている男の人を
『バキィィィイ!!!?』
「きゃーーー!!!!」
まわりが悲鳴を上げる。
「あのやつ!殴ったぞっ!」
佐々岡くんが
「ひぃぃぃいい!助けてくれぇ!」
人を殴った。

