「私・・・最低だよね・・・」


「最低なんかじゃない」


海道くんは、私の前に立った。


「最低なのは、朝比奈をそんな風に追い詰めた奴だ」


背中に海道くんの手がまわり、それは私と海道くんの間を埋めた。


じわじわと伝わってくる体温。


温かい・・・懐かしい・・・。


私は安心したのか、涙が出てきてしまった。


「大丈夫だ朝比奈。俺が朝比奈の笑顔を取り戻すから」


「・・・うん」


その言葉は、今までのどんな言葉よりも嬉しかった。