そんなことをポツリポツリと考えて家の中を歩いていると、襖(ふすま)で閉ざされた一室の前に立っていた。


襖の奥には、床一面に畳が敷かれているはず。


さらに奥に目をやれば、きっと笑顔で写る男の人と女の人と幼い子供の写真があるだろう・・・。


でも・・・この襖は・・・


「まだ・・・開けられないや・・・」


襖に背をむけ再び歩き出した。


「・・・ごめん・・・ね」