その会議より一週間後、松木は河合生徒を第三埠頭のBー4倉庫に呼び出した。

「政府からまた助成金がおりたわ」

「はい。これでまた発掘作業がはかどりますね。新たに業者も雇えるし、ショベルカーも買えます」

「ええ。そうね。ショベルカーは二台買うわ。一台はいつもの代理店から買う。そして、もう一台は架空の下請け会社から購入したことにするわ」

「ちょ、横領ですか? そのお金、何に使うのですか?」

「あなたにあげるわ。その代わり、頼まれて欲しいことがあるの」

「はぁ?」

「実は、この携帯小説の続きを書いて欲しいの。今、作者は松木真理子やん? それで登場人物に松木も出てきてるやん? なんかおかしいことになってますねん」

「わかりました。私も松木が松木について書いてることに、違和感がありました。今後は登場人物として、頑張ってください」

「ありがとうごぜますだ。あんまり早い段階で、殺さんといてな」