「オサル大都督、ただいま戻りました。申し訳ございません。大切な一万の兵を失いましてございます!」
ナシャシャソが邪馬台国陣内に帰還し、オサルに敗戦を伝えた。

「三万の兵でわずか五千に負けたと申すか!? ふざけんじゃねーよ!」
オサルはキレている。

「もしかして、キレてますか?」
ナシャシャソが訊く。

「き、キレてないっすよ。でも、なぜ、兵力差がありながら、負けたのだ? 副将のオウン将軍、皆の前で答えよ」
とオサルがオウンに言った。

「言いにくいのですが、ナシャシャソ将軍がワザと負けたのです。ナシャシャソ将軍は元ユリア国の人。邪馬台国を裏切ったのです。明らかに手抜きで戦っていました。そうでなければ、負けるはずがございません」
副将オウンはそう言うと、ニヤリとした。

「ちょ、おまっ、いきなり何言うねん!? 大都督! 違います。それがしは無罪です。私はそれでもやってない」



ナシャシャソ将軍は、オサルとオウンにはめられたのでした。