ナシャシャソは卑弥呼を逃がしてやった後、ユリア国に向かって歩きはじめました。完成した地図を大切に持って。


邪馬台国とユリア国の国境付近にさしかかった時、二羽の白鳥がナシャシャソの前に飛んできました。その二羽の白鳥は、人間へと姿を変えたのです。一羽は先に命を救ってやった卑弥呼で、もう一羽は卑弥呼の母である邪馬台国女王ルーニーでした。

「私の名はルーニー。邪馬台国女王である。娘の命を助けてもらったようだが、おまえの命頂くぞ! 我が国の地図を持って帰られると戦争に不利になるでな」

「母上様、命だけは助けてあげてください」
卑弥呼はナシャシャソの命乞いをした。

「ふむ。ならば、我が国の地図をおいてゆけ。さすれば命は助けてやろう」
ルーニーがそう言うと、ナシャシャソはしぶしぶ地図を渡しました。