ルナア島と邪馬台国の間にある小さな島からの狼煙(のろし)は、ユリア国の城からもハッキリと見えました。

「いよいよ、三日後か…」
ヨル大王は憔悴(しょうすい)しきっていた。

「父上、アキとメシが先のように必ずや勝利してくれましょうぞ」
マユ王子が励ます。

「そうだな。きっとあの二人なら悪魔軍を退けてくれよう。しかし、我が軍の勝利までワシは生きてはおれまい」
この頃、ヨル大王は死の病におかされていたのです。

「父上、なんと弱気な。民の為にもしっかりしてくだされ」

「いや。ワシはもうダメじゃ。フジノ王とあの世でお前を見守るとしよう。最期に、お前に言っておくことがある。お前の実の母は、ひ、ひ、ひみ、…こ…」

(ガクッ)

「!! 父上! 父上!」
(ちょ、おまっ、気になること言い残して死ぬなよ)


実はマユ王は卑弥呼の子どもでも何でもありませんでした。ヨル大王の最期のドッキリだたのです。