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城を飛び立ってから二日。

翼竜の速さなら直ぐに着くと思っていた俺の予想を覆して、目的地は愚か近づいている気配も無い俺達。


「なぁ、王子~。あと、どれくらいで姫さんに辿り着くんだよ?」


ここまで不眠不休で飛び続けていたが、流石に体がもたないと判断した王子は、一度地上に降り立った。

小川が流れる山間で、お嬢さん達が羽を休めている間に食事を摂る。

食料袋をガサゴソして取り出したのは、牛の干し肉とドライフルーツ。

多めに持って来たが、俺の胃袋には全っ然足りない。


「俺、このままじゃ餓死しそうなんだけど・・・」


俺にとっては大問題。

なのに・・・


「ヴァイス。君、あれだけ食料詰めていたのにまだ足りないの?」


ニコルからは呆れた声を浴びせられる。