「お前まで、王位継承権を放棄したのか」
信じられない言葉を口走ったニコルに口を開けば
「そ。だから、兄さんも俺も危険な所に赴こうが問題ないでしょ?
ほら、さっさとフローラちゃん助けに行こうよ」
何の問題も無いと、話を切り上げようとするニコル。
「そ~そ~。早いとこ、姫さん助けに行っちまおうぜ。
王位継承権まで放棄して、間に合わなかったら笑い話にもならねぇよ?」
それに続いたヴァイスが指笛を鳴らせば、遠くから聞こえた鳴き声と共に現れたワイバーン。
そのワイバーンに飛び乗ったヴァイスに手を貸してもらって後に続いたニコル。
「ほら、兄さん」
早くと急かす準備万端のニコルとヴァイスに、これ以上何を言っても聞かないだろう。
「───後悔しても知らないからな・・・」
言葉と共に零れた溜め息に
「しねぇよ」
にやりと口角を上げたヴァイス。
それを確認した俺は、目を伏せた・・・
脳裏に浮かぶのは、フローラの笑顔。
---あの笑顔を必ず取り戻す!!!
もう一度、心に強く誓って瞳を開けば、フローラへと続く淡い光の線が一直線に伸びていた。
ヴイーヴルに飛び乗り、目指すは光の先。
「───行くぞ」

