慌てて呼び止めるニコルだが、無視したまま足早に去っていく王子。
直ぐに後を追いたかったが、俺にはまだやる事がある。
「陛下・・・」
突っ立ったままの陛下に声を掛ければ、ようやく思考を取り戻したのか
「ヴァイス・・ロックは本気なのか・・?」
その視線は王子の後姿に向けたまま、震える声で聞いてくる。
「それは最近の王子を見ている者ならば、聞かずとも認識しているものと思いますが?」
思わず顔を顰めてしまう。
---そんな事、とっくにわかっていただろう?
陛下だって、王子と姫さんの事をあんなに微笑ましく見守っていたじゃないか。
それを、正妃に側室だなんて・・・誰が聞いても無謀としか思えない。
いつから、そんな事を考えるようになったんだ?
それに、さっき王子が言っていた「誰かの入れ知恵」ってのも気になる。
「父上・・・フローラちゃんの力の事を誰からお聞きになったんですか?」
陛下に声を掛けようと口を開いたところで、先にニコルが駆け寄って疑問をぶつけた。

