「ちょ・・ちょっと、兄さん?!」
驚きの声を上げたのはニコルで、陛下もルイスも人狼も予想外だったのか目を見開いて言葉が出てこない。
「ロック、お前は・・・」
呟くように発せられた陛下の声に
「俺が娶るのはフローラだけです。他には何も要らない。
父上が仰るような国王の務めは、俺には果たせないのでニコルに譲ります。
きっと、父上の理想通りの国王になってくれますよ。
俺なんかよりも外交戦略に長けていますし、愛想があって国民受けもいい」
自分の考えを伝える王子。
普段からは想像も出来ないほど饒舌な王子は「では、失礼します」と、陛下にお辞儀をすると踵を返して歩き出してしまう。
意志の固い王子にショックを受けたのか、陛下は呆然と立ち尽くしていた。
「後は任せたぞ。ニコル」
すれ違い様に声を掛けられたニコルは
「俺には無理だよ、兄さん!」
顔面蒼白になって王子に訴えた。

