「なるほどな。闘った火竜はどうなった?」
「火竜が生きていたら、俺が城に戻って来れるわけがないだろ。」
「──ククッ、それもそうだ」
王子との会話に笑いを零した人狼は
「まだ、体力が完全に戻ったわけではないから、これを飲んでおけ」
懐から取り出した袋に手を突っ込むと、何かを掴んで王子の前に差し出した。
人狼の掌に乗っていたのは、オレンジ色をした小さなトマトのような物だった。
---何かの木の実みたいに見えるけど・・・何だ?
「これは・・・フラウの実か」
差し出されたそれを見て答えた王子。
「ほぅ、知っているのか?」
「異界で、フローラに教えてもらった」
その実を知っていた事に人狼は少し驚いていたが
「そうか」
頷くと、王子に「フラウの実」を渡した。

