脇目も振らず走り、全速力で目的地に駆け上る。
祭壇の周辺では騎士達が警備に当たって、誰も近付けていなかったから、さっきの惨状はそのままで・・・
ハァハァと、肩で息をしながら足を止めたのは、祭壇の前に出来た姫さんの体から流れ出た血溜まりの前だった。
片膝をついて血溜まりに手をつけると両手いっぱいに姫さんの血を掬い上げる。
そのまま階段を駆け下りて、来た道を戻ると医務室の窓から聞こえてきた声に息が止まる。
「王子っ!!!」
「兄さんっ!!!」
医務室の扉は裏側だから窓から駆け込めば、目に飛び込んできたのは青白い顔をした王子は虫の息で、今にも命が燃え尽きようとしていた。
「ルイス、ニコル、どけっ!!」
王子に張り付いていた二人を怒鳴りつけて引き離すと、手に掬って来た姫さんの血を傷口にぶっかけた。
「ヴァイス!?何をしているんですか!」
ルイスが叫んだけど王子の反応だけに神経を集中させる。

