君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)




「じゃあ、このまま王子が死んでいくのを黙って見ていろって言うのかよ!」


---王子が死ぬ・・・?冗談じゃない。絶対に何かいい方法がある筈だ。


だが、俺の言葉に誰も発する事無く時間だけが無情に過ぎて行く。

その間にも、ルイスが押さえている手は王子の傷口から流れ出ている血で真っ赤に染まっていた。


「・・・くそっ!!」


苛立ちを抑え切れず、医務室の壁に拳を叩きつけた。
ドカッという鈍い音がしたが、強固な石の壁はひび一つ入っていない。

壁を叩いた俺の拳からは血が滲み出し、衝撃で骨に痺れが走る。

その痛みで混乱していた頭が冷静さを取り戻した。

手をグーパーしながら見ていた時・・・
以前、姫さんの部屋で聞いた事を思い出した。


『私の血には傷を早く治す力があるんです』


ハッとした。

もしかしたら、王子のこの傷を治せるかもしれない・・・

考えるよりも早く体が動いていた。


「ヴァイス!?」


驚いたニコルがこっちを見たが、それを無視してルイスに叫ぶ。


「ルイス、俺が戻るまで絶対に王子を死なせるなよ!!」


返事を聞く事無く、勢いよく開けた扉から飛び出した───