君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

───冗談だろ?


「バルトにドラゴンがいるなんて聞いた事無いぞ?」


あそこは、国全体が砂漠で覆われていて、ドラゴンが姿を見せた事は無い。


「かなり大きな火竜だったよ。兄さんがいなかったら、皆死んでた」


二コルは拳を震わせて眉間を寄せる。


「では、王子の傷は火竜にやられたんですね?」


王子の傷口を見ていたルイスが口を開くと、頷いたニコル。
それを確認したルイスは悔しそうに唇を噛み締める。


「火竜の爪先には猛毒があるんです」


王子の傷口は間違い無く、ドラゴンの爪でやられたものだと直ぐにわかる。


「火竜の毒って、どうやって消すんだよ!?」


ルイスの表情に嫌な予感がして聞けば、首を横に振る。
それが、どういう事なのかぐらいは理解出来るが納得出来ねぇ。


「じゃあ、兄さんはどうすれば助かる!?」


ルイスに詰め寄るニコルだが


「火竜の毒を消す薬は無いんです・・・」


その言葉に力無く崩れ落ちる。