「ニコルッ!」
肩で息をしながら部屋に入って来たニコルは、王子ほどではないにしても体中に傷を負っていた。
「兄さんは無事なんだよね!?」
ルイスに詰め寄ると、寝台に寝ている王子に視線を移したニコル。
視界いっぱいに映った痛々しいその姿に、目を見開いたニコルが息を呑んだのがわかった。
「兄さん・・」
弱々しく呼ぶ声は、受け止められる事無く静かに消えた。
「ニコル。一体、何があったんだよ!?王子がこんなになるなんて・・」
ニコルに向けていた視線を王子に流せば、顔色が益々悪くなっている。
「バルトで式典を終えて帰りの挨拶をしていたら、いきなり上空に現れたドラコンが攻撃をしてきたんだ」
俄かには信じ難い事を話し始めたニコル。
「は?ドラゴン!?」

