「姫さん・・・」
オリビアと共に姿を消しちまった姫さん。
今、起きた出来事に呆然としながら祭壇まで歩を進める。
警備に当たっていた他の騎士達も観客を避難させ終わったのか祭壇に向かって来ていた。
祭壇に残されていたのは、姫さんを宝剣で刺したリカルド・メーソンと巫女役の女達。
男の方は既に息絶えていた。
巫女の中にいたパール嬢も術が切れたのか倒れていて、急いで呼吸を確認すると、ゆっくりと上下する胸。
騎士達は早くも巫女役の女達を医務室へと運び出していた。
どうやら、怪我もなさそうだ。とホッとしたのも束の間で。
・・・ドサッ
後方で聞こえた音に振り返れば
「王子っ!?」
ヴイーヴルから崩れ落ちた王子が祭壇前に倒れていた。
「王子っ!!」
駆け寄って見れば、肩口と腹部には鋭い何かで裂かれた様な傷跡があり、そこからは止め処なく血が流れている。
---何だよ、この傷!?
急いで王子を担ぎ上げると、ルイスの居る医務室まで駆け出した。
祭壇を後にする時、ちらりと振り返れば・・・姫さんの体から流れ出した大量の血痕だけが痛々しく残っていた───

