---嘘だろ!?
宝剣が突き刺さったまま、祭壇の真ん中に力なく倒れ込む姫さん。
宝剣からは、姫さんの血が滴り落ちて床は血の海になっていた。
「姫さん───っ!!!!」
突然の出来事に悲鳴を上げる観客達だが、祭壇の様子がおかしい。
姫さんが倒れているのに、巫女役のパール嬢達は、それを気にする事無くルーンを唱え続けている。
・・・ゴゴゴゴォ────・・---
祭壇の下からは地響きが聞こえ始め、姫さんから流れる血を吸い込むように朱に染まっていく宝剣。
姫さんを宝剣で刺した人物は、自分の懐から短剣を取り出して再び姫さんに刃を向ける。
俺は、慌てて詠唱を唱え終えると魔法石をその人物に向けて、力の限り叫ぶ。
『魔法石に宿りし力を解き放ち 光の刃となりて 敵を滅ぼせ』
声に呼応した魔法石は眩い光を放つと、閃光と共に、その人物に向かって一直線に伸びていく。
「うおっ!!」
魔法石から放たれた強大な力の反動で、俺の体が後ろに吹っ飛んだ。
慌てて、体勢を整えて光の向かう先に視線を走らせれば・・・
短剣を姫さんに突き刺す直前の人物に見事に命中していた。

