「兄さんの反応を見る限りでは本当に殺されちゃいそうだね。まさか、フローラちゃんをダンスに誘っただけで、あんな感情的になるなんて思ってもみなかったよ」


そう言って肩を竦めた。


「わかったんなら、今後は手を出すなよ?俺は平穏な生活を送りたいんだ」


「うーん。でもさぁ、今だけなんじゃない?あれだけの美女だし惜しいよね」


---コイツ、全然わかってねぇ・・・


「王子は、もう姫さんを離さないぞ」


「でも、兄さんは時期国王だから妻にするのはそれなりの身分の女性じゃない。フローラちゃんって確か庶民の出でしょ?なって側室?」


「あの女が大嫌いの王子が姫さん以外の妻を娶るとも思えねぇけどな」


「兄さんはそうかもしれないけど、国の大臣達が許してくれるかねぇ・・・あの狸親父達は、まだ自分の娘を王妃にしようと目論んでいるみたいだよ?」


「王子のあの態度を見て、まだそんな事考えているのかよ」


「それに、フローラちゃんは・・・・・だから」


「え・・・?」


最後にニコルの発した言葉に自分の耳を疑った。