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「あーっ、美味かった♪」


飯を食い終わって、ヴァイスの腹も満たされたらしい。

食後の紅茶を飲んで一息吐いた時・・・


・・・ヴゥー---ン・・・


耳の鼓膜を震わす音と共に、掌が熱くなった。

自分の左の掌を開いて見れば浮かび上がった小さな魔法陣と中心にある魔法石。


「王子、どうした?」


ヴァイスが気が付いて声を掛けてきた。


「魔法石が反応しだした」


「・・・やっとかよ」


少し前に魔法石に仕掛けをして反応を待っていたが、一向に動く気配を見せなかった。
今、動いたという事は闇魔法を使っているという事。

それを、俺の魔法で場所を特定し術者を探し出す。

皆の視線が俺の掌にある魔法陣に向けられると、闇の力が魔法石の中心からジワジワと広がって真っ黒になる。

相手の場所を特定する為に小さかった魔法陣を大きくして前方に出す。

両手に力を集中させて魔法陣に注ぎ込み呪文を唱える。


『我が手に宿りし力を解き放ち 光を闇の元へ導け』


・・・ヴヴゥー---・・・ン


魔法陣が眩い光を放ち暗闇の中を一直線に進んで行く。