「多分、害は無いと思うけど・・・」
フローラは、考え込みながらブツブツ呟いているから
「何か、気になるのか?」
彼女の物言いに引っ掛かって先を促せば、俺を見上げて話を続けるフローラ。
「今もだけど、ロックの夢の世界と異界が繋がってしまっているの。きっと、また夢を見て異界に繋がるはずよ」
---マジか・・・
あぁ・・・何だか、もの凄い疲労感。
最近は、精神的にも疲れてたからぐったりだ。
「体、大丈夫? 精気が弱々しく感じられるんだけど・・・」
そう言って、俺の胸に手を当てたフローラは
「随分、疲れてるのね。ヒーリングをしてあげるわ」
囁くように、詠唱を唱え始める。
---ヒーリング?
初めて聞くその言葉に疑問を感じながらも、ぐったりしていた俺はそのままじっとしていた。
心地良い囁きを聞きながら、俺の体に手を翳して力を注ぎ込んでいるフローラを見ていると
---あれ・・・?
あれだけ重かった体が、軽くなったような感じがする。
「どうかな?」
フローラに声を掛けられ、手をグーパーしながら体を動かしてみれば
「体が軽い・・・」
「よかった」
ここ3ヶ月の疲れも、嘘のようになくなっていた。

